YouTube の HDR(ハイ ダイナミック レンジ)は、標準の動画よりコントラストが高く、色彩豊かな映像で再生できる形式です。HDR 対応のスマホやテレビで HDR 動画を再生すると、画質の選択肢に「1080p HDR」のように HDR と表示されます。対応していない端末では、同じ動画が自動で SDR として再生されます。
画質の設定に HDR と出る動画と出ない動画がある。自分の動画を HDR で投稿したいのに、うまく HDR にならない。2026年10月26日に確認した YouTube ヘルプをもとに、見る側と投稿する側の両方の条件を整理します。
HDR で見るための条件
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 端末 | HDR に対応したモバイル端末かテレビ。HDR 対応のテレビに Chromecast Ultra をつないでストリーミングする方法もある |
| 動画 | 投稿者が HDR のメタデータを含めてアップロードした HDR 動画 |
| 表示 | 画質の選択肢に「1080p HDR」のように HDR が付く |
| 非対応の端末 | スタンダード ダイナミック レンジ(SDR)の動画として再生される |
つまり、HDR で見られるかどうかは、端末と動画の両方で決まります。どちらか一方が対応していなければ、普通の画質で再生されます。
画質に HDR が出ないとき
- 見ている端末が HDR に対応していない。この場合、HDR 動画も SDR で再生されます。
- その動画が HDR で投稿されていない。タイトルに HDR と書いてあっても、HDR の形式で処理されていない動画もあります。
- 回線が遅く、低い画質が選ばれている。
画質を自分で選ぶ方法は YouTube の画質設定 で解説しています。公式ヘルプが示す推奨速度は、HD 1080p でおよそ5 Mbps、4K でおよそ20 Mbps です。高い画質を選ぶなら、まず回線がこの速度に届いているかを確かめてください。
HDR 動画をアップロードする流れ
YouTube で HDR 動画が正しく再生されるには、コーデックかコンテナに HDR のメタデータが含まれている必要があります。いちばん確実なのは、HDR に対応した編集アプリから書き出すことです。
- Rec. 2020 の色域で、PQ 方式か HLG 方式でカラー グレーディングします。
- 対応アプリから HDR のメタデータを含めて書き出します。書き出せない場合は、YouTube HDR メタデータ ツールで追加します。
- 通常の動画と同じ手順でアップロードします。
- YouTube がメタデータを検知すると、HDR 対応の端末向けと、それ以外の端末向けの SDR の両方を自動で作ります。
現在のところ、YouTube のウェブエディタでは HDR 動画を編集できません。アップロードの基本は YouTube に動画を投稿する方法 を見てください。
アップロードの要件
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 解像度 | 720p、1080p、1440p、2160p |
| フレームレート | 23.976、24、25、29.97、30、48、50、59.94、60 |
| 色深度 | 10ビットまたは12ビット |
| 色域 | Rec. 2020 |
| カラー マトリックス | Rec. 2020 非定輝度 |
| EOTF | PQ または HLG(Rec. 2100) |
縦横比は、DCI 規格ではなく UHD 規格を使うよう案内されています。たとえば 4096x1716 ではなく 3840x1600 にします。
おすすめのコンテナとコーデック
動作が確認されているコンテナは、MOV(QuickTime)、MP4、MKV です。コーデックは、低いビットレートでも高画質にしやすい VP9 プロファイル2、AV1、HEVC(H.265)がすすめられています。ProRes 422、ProRes 4444、DNxHR HQX、H.264 の10ビットにも対応していますが、非常に高いビットレートが必要になるため、アップロードと処理に時間がかかる可能性があります。対応する編集ツールとしては、DaVinci Resolve、Adobe Premiere Pro、Adobe After Effects、Final Cut Pro X が挙げられています。
PQ 方式のときに必要なメタデータ
HDR 動画として処理されるには、伝達関数(PQ か HLG)、色域(Rec. 2020)、マトリックス(Rec. 2020 非定輝度)が正しく設定されている必要があります。PQ 方式の場合はさらに、マスタリングに使ったディスプレイの情報(SMPTE ST 2086)と、コンテンツの明るさの情報(CEA 861-3 の MaxFALL と MaxCLL)を含めます。これがない場合は、ソニー製の BVM-X300 マスタリング用ディスプレイの値が使われます。動的なメタデータの HDR10+ を含めることもできます。
SDR への変換を自分で調整する
HDR 非対応の端末向けの SDR は、YouTube が自動で作ります。ただし、変換が難しい映像では品質に問題が出ることがあります。その場合は、3次元 LUT を作って変換のヒントを渡せます。HDR 動画と同じフォルダに .cube 形式で LUT を書き出し、LUT と HDR 動画の両方をメタデータ ツールにドラッグ アンド ドロップする流れです。ただし、場面ごとや時間ごとに変換のヒントを変えることは、現在のところできません。
Want AI doing the heavy lifting in your marketing?
I build the systems that handle the boring 80 percent, so you get your week back. Done properly, with the human kept in.
よくある失敗
- P3 の色空間で仕上げた動画に Rec. 2020 のタグを付けてしまう。色が飽和し、色合いも変わります。
- HDR の伝達関数でグレーディングしていない動画をメタデータ ツールで処理する。映像にひどいゆがみが出ます。
- PQ 方式で暗い部分にノイズが乗る。書き出す前にノイズを取り除いておくと防げます。
私の結論
見る側にとっての HDR は、対応した端末と HDR で投稿された動画がそろったときだけの特典です。画質に HDR が出ないなら、まず端末が対応しているかを確かめてください。投稿する側は、Rec. 2020 で PQ か HLG、10ビット以上、対応アプリから書き出す、この3点を守るのが近道です。色空間のタグを間違えると色が壊れるので、そこだけは書き出しの前に必ず確認してください。
よくある質問
YouTube の HDR とは何ですか?
ハイ ダイナミック レンジのことで、標準の動画よりコントラストが高く、色彩豊かな映像で再生できる形式です。
HDR で見るには何が必要ですか?
HDR に対応したモバイル端末かテレビと、HDR で投稿された動画が必要です。HDR 対応のテレビに Chromecast Ultra をつなぐ方法もあります。
HDR に対応していない端末で HDR 動画を再生するとどうなりますか?
スタンダード ダイナミック レンジ、つまり SDR の動画として再生されます。
HDR 動画をアップロードする条件は?
解像度は 720p から 2160p、色深度は10ビットか12ビット、色域は Rec. 2020、伝達関数は PQ か HLG です。HDR のメタデータを含める必要があります。
HDR 動画におすすめのコーデックは何ですか?
公式ヘルプでは、VP9 プロファイル2、AV1、HEVC(H.265)がすすめられています。コンテナは MOV、MP4、MKV が動作確認済みです。
YouTube のエディタで HDR 動画を編集できますか?
現在のところ、YouTube のウェブエディタでは HDR 動画を編集できません。


