結論から言うと、YouTube の収益は「再生回数 × 1回あたりの単価」では計算できません。YouTube 自身のヘルプに載っている例では、5,000回の視聴のうち広告が付いたのは1,500回だけでした。いちばん近い目安は、自分のアナリティクスにある RPM を使って「RPM × 視聴回数 ÷ 1,000」で出す方法です。
「YouTube 収益 計算」「収益 目安」「推定収益 サイト」と検索すると、再生回数を入れるだけで金額が出るサイトがたくさん見つかります。便利そうに見えますが、どれも YouTube が公開していない単価を仮に置いているだけです。この記事では YouTube の公式ヘルプに書かれている定義だけを使って、どこまでが計算できて、どこからが推測なのかを分けて説明します。
YouTube 収益の計算式は1つだけ
YouTube アナリティクスには RPM という指標があります。RPM は、1,000回の視聴あたりにクリエイターが実際に受け取った収益です。YouTube の取り分を差し引いた後の金額で、広告が付かなかった視聴も分母に含まれます。広告だけでなく、メンバーシップ、YouTube Premium の収益、Super Chat、Super Stickers も RPM に入ります。
そのため、自分のチャンネルの収益の目安は次の式で出せます。
| 式 | 意味 |
|---|---|
| 推定収益 ≈ RPM × 視聴回数 ÷ 1,000 | 過去の RPM が続くと仮定した目安 |
| RPM | 取り分を引いた後の、1,000回視聴あたりの総収益 |
| CPM | 広告主が広告1,000回表示に払う金額(取り分を引く前) |
CPM のほうが大きな数字なので、CPM を使って計算すると収益を大きく見積もってしまいます。YouTube も「収益は CPM × 視聴回数にはならない」とはっきり書いています。
YouTube 自身の計算例で確かめる
YouTube のヘルプにある例をそのまま表にしました。数字は説明用の例で、実際の単価ではありません(2026年10月時点のヘルプの記載)。
| 項目 | 例の数字 |
|---|---|
| 動画の視聴回数 | 5,000回 |
| 広告が1本付いた視聴 | 1,000回 |
| 広告が2本付いた視聴 | 500回 |
| 収益化された再生(広告付きの視聴) | 1,500回 |
| 広告の表示回数 | 2,000回 |
| 広告主が払った合計 | US$7 |
| CPM | US$3.50 |
| 再生回数ベースの CPM | US$4.67 |
ここで見てほしいのは、5,000回のうち3,500回には広告が1本も付いていないことです。計算サイトはこの差を知りません。しかも US$7 は広告主が払った額で、クリエイターの手取りはそこから YouTube の取り分を引いた後になります。
計算サイトや「再生回数 収益」の数字がずれる4つの理由
- 広告が付かない視聴がある。広告主向けでない動画、広告をオフにした動画、その視聴者に出せる広告がない場合、Premium 会員の視聴などは広告が付きません。
- CPM は時期で変わる。YouTube によると、広告主は祝日の前などに入札を上げることがあります。同じ再生回数でも月によって収益は変わります。
- 視聴者の国で変わる。地域ごとに広告の競争が違うため、海外からの視聴が増えると CPM も動きます。
- 広告以外の収益が混ざる。メンバーシップや Super Chat が多いチャンネルは、同じ再生回数でも RPM が高くなります。外からは見えません。
他人のチャンネルの「推定収益」を出すサイトは、公開されている再生回数に仮の単価を掛けているだけです。本人のアナリティクスは本人しか見られないので、外から正確に計算する方法はありません。
自分の数字で来月の目安を出す手順
- パソコンで YouTube Studio を開き、左のメニューから「アナリティクス」を選びます。
- 「収益」タブで、直近28日間の RPM を確認します。
- 同じ画面で、同じ期間の視聴回数を確認します。
- 来月に見込める視聴回数を決め、「RPM × 見込み視聴回数 ÷ 1,000」で計算します。
- Super Chat やメンバーシップが多い月と少ない月で RPM がぶれる場合は、2〜3か月分の RPM を見比べて低めの数字を使います。
自分の RPM さえ分かれば、英語版の アナリティクスで収益を確認する方法 の手順で毎月の数字を記録しておくと、目安の精度が上がります。単価の考え方をもっと詳しく知りたい方は YouTube 収益はいくら?の記事 も読んでみてください。
「推定収益」と「推定広告収益」の違い
アナリティクスには似た名前の数字が並んでいて、計算を間違える原因になります。YouTube のヘルプにある定義を表にしました。
| 指標 | 中身 | 計算に使うときの注意 |
|---|---|---|
| 推定収益 | 広告、メンバーシップ、Premium、Super Chat などすべての収益 | チャンネル全体の目安を出すならこちら |
| 推定広告収益 | 動画の広告だけの収益 | 広告だけの単価を知りたいときに使う |
| 視聴回数 | 動画が再生された回数 | RPM の分母 |
| 推定収益化再生回数 | 広告付きで見られた回数 | 視聴回数より少なくなるのが普通 |
| 広告の表示回数 | 個々の広告が表示された回数 | 1回の再生に広告が2本付くと2回になる |
YouTube の小さな例では、10回の視聴のうち8回に広告が付き、そのうち1回に広告が2本付いた場合、視聴回数10、収益化再生回数8、広告の表示回数9になります。同じ「回数」でも3種類あるので、どれを掛けるかで答えが変わります。
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RPM が下がっても損をしたとは限らない
YouTube によると、収益が同じでも、広告が付かない視聴が増えると RPM は下がります。たとえば広告が付きにくい国からの視聴が急に増えた月は、収益そのものは変わらなくても RPM だけが下がることがあります。逆に、視聴回数がほとんど変わらないのに RPM が上がったときは、メンバーシップに入る人が増えた可能性があります。計算に使う RPM は、1か月だけの数字ではなく、数か月の動きを見て選びましょう。
計算に入らないお金
RPM には入らない収入もあります。YouTube のヘルプによると、グッズの販売、ブランドとの案件(YouTube の公式な提携を除く)、YouTube をきっかけにした仕事の売上は RPM に含まれません。チャンネル全体の稼ぎを考えるときは、これらを別に足してください。
計算した金額はいつ受け取れる?
収益は AdSense for YouTube を通じて支払われます。日本円の場合、支払いのしきい値は ¥8000 で、支払い方法を選べるようになるのは ¥1000 からです(2026年10月時点の AdSense ヘルプの表)。残高がしきい値に届くまでは翌月に繰り越されます。そもそも収益化の条件をまだ満たしていない方は、先に YouTube 収益化の条件 を確認しましょう。
私の結論
計算サイトの金額は話のネタにはなりますが、目標づくりには使わないほうがいいと思います。自分の RPM で計算した数字だけが、あなたのチャンネルの現実に近い目安です。まずは3か月分の RPM をメモして、その幅で考えるのがおすすめです。
よくある質問
YouTube の収益は1再生いくらで計算できますか?
できません。YouTube は1再生あたりの決まった単価を公開しておらず、広告が付かない視聴もあります。自分の RPM を使って RPM × 視聴回数 ÷ 1,000 で目安を出してください。
計算サイトの推定収益は正しいですか?
目安にもなりにくいです。公開された再生回数に仮の単価を掛けているだけで、広告が付いた視聴の割合や視聴者の国、メンバーシップなどの収益は外から分かりません。
RPM と CPM はどちらで計算すべきですか?
RPM です。CPM は YouTube の取り分を引く前の広告主の支払額で、広告が付いた視聴だけが対象なので、収益を大きく見積もってしまいます。
計算した収益はいくらから受け取れますか?
日本円の場合、AdSense の支払いのしきい値は ¥8000 です(2026年10月時点)。届かない分は翌月に繰り越されます。


